コラム

STEP5-10 CFIO流・承継戦略とグループ経営の黄金ルール10選

事業承継・グループ経営

事業承継は「株をどう移すか」「相続税をどう減らすか」というテクニック論に矮小化されがちです。
しかし本質は、会社を未来に残し、成長を続けさせることにあります。
そのためには、資産承継・事業承継・後継者教育を一体化し、さらにグループ経営の視点を取り入れることが欠かせません。

CFIOのSTEP5では、承継を「終わり」ではなく「次の成長の始まり」と捉えます。
ここでは、そのための 黄金ルール10選 をまとめます。

黄金ルール1:承継は10年計画で進める

短期的な税務対策ではなく、後継者教育・組織承継・資産整理を含めて10年スパンで準備。

黄金ルール2:株式は分散させない

株式は経営権そのもの。資産管理会社や持株会社を活用し、後継者に集中させる。

黄金ルール3:人と組織を同時に承継する

後継者教育(人)と、経営計画・会議体制・KPI管理(組織)の両輪がなければ承継は失敗する。

黄金ルール4:資産承継と事業承継を一体で設計する

株式、不動産、金融資産を同時に整理。公平性と経営権の安定化を両立させる。

黄金ルール5:持株会社で経営を統合する

グループ化により、承継後も柔軟な事業再編・投資・M&Aが可能になる。

黄金ルール6:M&Aを承継戦略に組み込む

後継者不在の「守り」の手段としてだけでなく、成長を加速する「攻め」の承継手段として活用する。

黄金ルール7:後継者を「数字で語れる経営者」に育てる

財務・KPI・経営計画を理解し、社員・銀行・取引先に説明できる力を持たせる。

黄金ルール8:家族内承継と外部承継を比較検討する

血縁にこだわらず、最適な選択肢を冷静に判断。会社の存続と成長を優先する。

黄金ルール9:事業承継税制はリスクを理解して活用する

強力な制度だが要件の縛りが大きい。資産管理会社や保険と組み合わせて最適化する。

黄金ルール10:承継は「終わり」ではなく「進化の始まり」

承継は会社を守るだけでなく、次の成長ステージに進むチャンス。
グループ経営やAI・BI活用と結びつけ、未来志向で設計する。

まとめ

事業承継を成功させる鍵は、税金対策に終始せず、総合的に設計することです。

  • 株式承継=経営権を安定化
  • 後継者教育=人の承継
  • 経営計画・会議体制=組織の承継
  • 資産承継=家族の安心
  • グループ経営=未来の成長

CFIO流のSTEP5では、これらを「黄金ルール」として体系化し、承継を未来への成長戦略に変えます。