コラム

STEP4-8 幹部会議を成果につなげるCFIO流MAS監査の活用

経営力・経営管理力UP

中小企業における「幹部会議」は、多くの場合が情報共有や社長からの指示伝達に終始しています。
しかし、本来の幹部会議は「意思決定」と「成果創出」の場であるべきです。

そのために有効なのが MAS監査(Management Advisory Service監査) の仕組みを取り入れた幹部会議の運営です。
CFIOでは、MAS監査を幹部会議に導入し、経営の未来を数字で語り、行動を改善につなげる“成果を生む会議”に変革します。

1. MAS監査とは?

(1) 定義

MAS監査とは「未来会計」を基盤にした経営支援手法です。
過去の数字をチェックする税務監査とは異なり、将来の経営改善や成長を目的としています。

(2) 特徴

  • 過去数字ではなく、未来数字(予算・計画・KPI)を扱う
  • 経営者と一緒に計画をモニタリングし、改善を提案
  • 幹部を巻き込み、会社全体で成長を実現する

2. なぜ幹部会議にMAS監査を取り入れるのか?

(1) 情報共有で終わらせない

多くの幹部会議は「報告会」にすぎません。MAS監査を導入すれば「次の一手」を議論する場に変わります。

(2) 社員の主体性を引き出す

数字に基づいて議論することで、幹部が「自分の部門をどう改善するか」を考える習慣がつきます。

(3) 社長の負担を減らす

社長が一方的に指示するのではなく、幹部が自ら数字を語ることで、社長の負担が軽くなります。

3. CFIO流・MAS監査を活用した会議運営

ステップ1:事前準備

  • 月次試算表・部門別損益・KPIを集計
  • 経営コックピットに反映

ステップ2:会議での進め方

  1. 前月の数字レビュー(結果確認)
  2. KPIの達成度チェック(行動確認)
  3. 改善行動の提案と議論(未来志向)
  4. 社長承認 → 翌月のアクション決定

ステップ3:アフターフォロー

  • 決定したアクションを翌月に検証
  • PDCAサイクルを組織に定着させる

4. 会議を“成果の場”に変える工夫

  • KPIを全員で見える化:ホワイトボードやBIダッシュボードを活用
  • 幹部に発表させる:社長ではなく部門長が数字を語る
  • 未来数字を中心に議論:売上目標、粗利率、受注計画など

5. ケーススタディ:MAS監査で変革したI社

I社(年商10億円)は、幹部会議が「愚痴大会」と化し、改善が進みませんでした。

CFIOがMAS監査を導入し、以下を実施:

  • 部門別損益とKPIを会議資料に統一
  • 幹部が各部門の数字を発表
  • 改善行動を毎月設定し、次回会議で検証

結果、会議の質が大幅に向上。
幹部が主体的に改善策を提案し、売上高は2年間で15%増加。
社長も「会議が楽しみになった」と語るようになりました。

6. 銀行や外部への効果

MAS監査型の会議運営をしている企業は、銀行や取引先からの評価も高まります。

  • 経営管理体制がしっかりしている
  • 計画に基づいて改善を続けている
  • 数字で意思決定している

結果として、融資条件が有利になり、成長資金を確保しやすくなります。

まとめ

幹部会議を成果につなげるには「MAS監査」の導入が効果的です。

  • 過去数字ではなく未来数字を扱う
  • 幹部が主体的に数字を語る文化をつくる
  • 改善行動を毎月モニタリングして成果を出す

CFIOのSTEP4では、幹部会議を「報告の場」から「成果創出の場」に変革し、組織の自律的成長を支援します。