コラム

STEP3-3 長期積立投資でつくる“社長の年金”戦略

資産運用戦略

中小企業の社長には、サラリーマンのような「厚生年金による老後の安心」がありません。
国民年金は最低限の保障しかなく、将来の生活資金は自ら準備しなければならないのが現実です。

その解決策のひとつが 長期積立投資による“社長の年金”づくり です。
本業から生まれるキャッシュを計画的に積み立て、将来の生活資金や相続資金に備えることが、持続可能な経営と人生設計の鍵となります。

1. なぜ社長には年金戦略が必要か?

(1) 公的年金が十分でない

社長は厚生年金に加入していないケースが多く、国民年金だけでは月6〜7万円程度。
生活費のベースすら賄えない水準です。

(2) 事業リスクに直面する

「会社が資産になる」と考えていても、倒産や事業縮小が起これば老後資金は途絶えます。
事業と切り離した個人資産の確保が不可欠です。

(3) 相続・承継に備える

自社株や不動産など分割しにくい資産しかないと、相続トラブルが起こりやすくなります。
流動性のある積立資産は“納税資金”としても有効です。

2. 長期積立投資の基本原則

(1) 少額からコツコツ

毎月一定額を積み立てることで、相場変動に左右されず資産を増やせます(ドルコスト平均法)。

(2) 分散投資

国内外の株式・債券・不動産など、幅広く投資対象を分散することでリスクを軽減します。

(3) 長期目線

10年、20年というスパンで資産を積み上げることで、複利効果が最大限に発揮されます。

3. 実務で使える制度・方法

(1) iDeCo(個人型確定拠出年金)

  • 掛金が全額所得控除
  • 運用益が非課税
  • 受取時も退職所得控除で税負担を軽減

(2) NISA(少額投資非課税制度)

  • 投資枠内の運用益が非課税
  • 「つみたてNISA」は長期積立に最適

(3) 小規模企業共済

  • 掛金が全額所得控除
  • 廃業・退職時に共済金を受け取れる
  • 実質的に「社長の退職金制度」

4. 法人を活用した積立投資

(1) 資産管理会社を活用

法人税率の低さを活かして積立を行い、効率的に資産を増やせます。

(2) 法人向けの積立保険や年金制度

  • 福利厚生として役員・従業員の老後資金を準備
  • 経費化しながら資産形成が可能

5. CFIOの視点:“経営と人生”をつなぐ積立

CFIOでは、積立投資を「節税の手段」や「副業の投資」ではなく、
「社長の人生を支える年金戦略」 と位置づけています。

  • 本業の利益 → 積立投資で未来の生活資金へ
  • 資産管理会社 → 長期運用で承継資産に
  • 個人 → NISA・iDeCo・共済で生活基盤を安定化

このように多層的に設計することで、会社の成長と個人の安心が同時に実現します。

6. ケーススタディ:積立投資で安心を得たT社長

T社(年商7億円)の社長は、60歳を目前にして「老後資金がほとんどない」と不安を抱えていました。

CFIOが提案したのは、以下の積立プラン。

  1. 個人 → iDeCoとNISAで月20万円を積立
  2. 法人 → 資産管理会社でインデックス投資を実施
  3. 小規模企業共済にも加入し、退職金準備を並行

結果、5年後には積立資産が2,000万円を超え、老後の安心感が大きく向上しました。

まとめ

社長にとって長期積立投資は「老後資金の準備」だけでなく、

  • 税金対策
  • 承継対策
  • 納税資金準備

といった複数の役割を果たします。

  • 公的年金に頼れない社長こそ、積立投資を必須とする
  • NISA・iDeCo・共済をフル活用する
  • 法人資産と個人資産を組み合わせ、トータルで設計する

CFIOのSTEP3では、この「社長の年金戦略」を具体的に設計し、安心して事業に専念できる未来を提供します。