中小企業の社長にとって、不動産投資は「節税・資産形成・相続対策」を同時に実現できる有効な手段です。
しかし、個人で所有するのか、法人(資産管理会社)で所有するのかによって、税務・資金繰り・承継に大きな差が生まれます。
「個人名義で持つべきか?」
「資産管理会社を通すべきか?」
この選択を誤ると、将来の税負担や承継コストが跳ね上がるリスクがあります。
本記事では、社長が不動産投資を行う際に資産管理会社をどう組み合わせるのが賢いのかを、実務的な視点から解説します。
1. 個人で不動産を持つ場合の特徴
メリット
- 手続きがシンプル(設立費用なし)
- 金融機関から融資を受けやすい(個人信用力を活用)
- 所得控除を活かしやすい(住宅ローン控除など)
デメリット
- 所得税・住民税の累進課税で最大55%まで課税
- 経費計上の範囲が限定的
- 相続時に不動産そのものを分けにくい
個人での不動産投資は「少額・短期の投資」には適しているが、規模が拡大すると税負担が重くなりがちです。
2. 資産管理会社で不動産を持つ場合の特徴
メリット
- 法人税率が低く、所得税に比べて有利(約23%前後)
- 家族役員への給与支給で所得分散が可能
- 経費計上の幅が広がる(車両費・役員報酬・管理費など)
- 株式を分割承継できるため、相続対策に有効
デメリット
- 設立・維持コストがかかる
- 金融機関によっては法人への融資が厳しい
- 適切な管理体制がなければ税務調査リスクが増す
資産管理会社は「中長期的な不動産投資」「承継を見据えた投資」に向いています。
3. 不動産投資と資産管理会社の組み合わせ方
パターン① 資産管理会社を通じた新規取得
最初から資産管理会社で物件を購入すれば、法人税率の低さと経費計上の幅広さを享受できます。
パターン② 個人所有から法人への移転
既存の個人所有物件を資産管理会社へ移す方法。
ただし、譲渡税や登録免許税が発生するため、タイミングや方法を慎重に検討する必要があります。
パターン③ 法人と個人の“二刀流”
- 収益性の高い物件は資産管理会社で保有
- 控除を活かせる住宅系は個人で保有
バランスを取りながら、法人・個人それぞれのメリットを最大化します。
4. CFIOの視点:不動産は「節税」だけでなく「未来設計ツール」
CFIOでは、不動産投資を単なる節税目的ではなく「未来設計の核」と位置づけています。
- 法人に不動産を集約 → 承継しやすい資産構造に
- 賃料収入を法人にプール → 再投資の原資として活用
- 相続税評価をコントロール → 将来の負担を軽減
資産管理会社を組み合わせることで、不動産投資は「節税+資産形成+相続対策」を一気通貫で実現できます。
5. ケーススタディ:資産管理会社で不動産を整理したM社
M社(年商8億円)の社長は、個人で10戸のアパートを所有していました。
しかし、所得税・住民税の負担が重く、年間の税金が3,000万円を超えていました。
CFIOの支援により、資産管理会社を設立し、一部物件を法人に移転。
同時に、新規物件はすべて資産管理会社で取得する方針に転換しました。
結果、税負担が年間800万円軽減。
さらに、将来の相続時には株式で分割承継できるため、遺産分割のリスクも大幅に減少しました。
まとめ
社長の不動産投資における資産管理会社の活用は、単なる節税スキームではありません。
- 個人保有:少額・短期投資向き
- 資産管理会社保有:中長期投資・承継向き
- 二刀流:法人・個人それぞれの強みを活かす
CFIOのSTEP2では、不動産投資を「節税・資産形成・承継」の三位一体で設計し、経営と人生の両面で最適な仕組みを構築します。
不動産は“未来を守る資産”。
資産管理会社と組み合わせることで、その力を最大限に引き出すことができます。
