「銀行にお願いしても思ったほど貸してくれない」
「せっかくの成長チャンスなのに、資金が足りず見送ってしまった」
多くの中小企業が直面するのが「銀行から成長資金を引き出せない」という課題です。
しかし実は、融資の可否を左右するのは 数字だけでなく、社長のプレゼン力 にあります。
銀行員は融資の判断材料として決算書や資金繰り表を重視しますが、同時に「この社長は信用できるか」「この計画は実現可能か」を見ています。
つまり、銀行交渉は「数字×プレゼン」の両輪で進める必要があるのです。
本記事では、成長資金を確保するために社長が身につけるべき「銀行プレゼン術」を解説します。
1. 銀行交渉が失敗する典型例
(1) 数字を説明できない
決算書や試算表を提示しても、社長自身が数字を理解していない場合、銀行は不安を感じます。
(2) 資金使途が不明確
「とりあえず資金繰りが苦しいから借りたい」といった曖昧な説明では、銀行は融資を渋ります。
(3) 将来のストーリーがない
返済計画や成長戦略を説明できない会社は「返済リスクが高い」と判断されます。
2. 銀行交渉を成功させる3つのプレゼン要素
(1) 数字に基づいた信頼性
銀行は「返済能力」を第一に見ています。
損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を理解し、自社の現状を説明できることが必須です。
例:「当社は営業利益1億円、減価償却費2,000万円。よって年間1.2億円の返済原資があります」
こうした説明ができれば、銀行は安心して融資を検討できます。
(2) 資金使途の明確化
「なぜ資金が必要なのか」を具体的に示すことが大切です。
- 設備投資(新工場建設、機械導入など)
- 運転資金(売上増加に伴う仕入・外注費)
- M&A資金
資金使途が明確であればあるほど、銀行の理解は得やすくなります。
(3) 成長戦略と返済計画
融資は「返済可能性」が前提です。
成長戦略と返済計画を一体で提示することで、銀行に安心感を与えられます。
例:「新工場の稼働により売上が2億円増加、粗利率25%として粗利5,000万円増加。この増加分で返済原資を確保します」
3. 実践!社長の銀行プレゼン術
ステップ1:事前準備
- 最新の試算表と資金繰り表を用意
- 事業計画書(1〜5年)を作成
- 必要資金と返済計画を整理
ステップ2:交渉の場での説明
- 決算書の数字を自分の言葉で説明する
- 「資金が必要な理由」を明確に伝える
- 成長戦略と返済計画をロジカルに示す
ステップ3:銀行との関係構築
- 定期的に試算表を提出し、透明性を示す
- 計画と実績の差異を説明する
- 信頼を積み重ねることで、次の融資につながる
4. CFIOの視点:銀行は「味方」にできる
CFIOでは、銀行を単なる融資先ではなく「経営のパートナー」と位置づけています。
銀行は数字と論理を重んじるため、プレゼンを戦略的に設計すれば、むしろ積極的に支援してくれる存在になります。
- 資金繰り表・経営計画を「見せる資料」として整備
- 社長が数字を理解し、自分の言葉で説明する
- 成長戦略を「銀行が応援したくなるストーリー」に仕上げる
これがCFIO流の「銀行交渉術」です。
5. ケーススタディ:銀行プレゼンで成長資金を獲得したH社
H社(年商5億円)は、新工場建設のために2億円の融資を希望していました。
しかし、従来の「お願いベース」の交渉では融資が進まず、計画が停滞していました。
CFIOが支援した結果、以下を実施。
- 詳細な経営計画書を作成
- 資金使途と返済計画を明確化
- 社長が自ら数字を説明し、将来の成長ストーリーをプレゼン
結果、銀行から満額2億円の融資を獲得。
新工場の稼働により売上は7億円へ拡大し、返済も計画通りに進んでいます。
まとめ
銀行交渉を成功させるカギは「社長のプレゼン術」にあります。
- 数字に基づいた信頼性を示す
- 資金使途を明確にする
- 成長戦略と返済計画をセットで提示する
CFIOのSTEP1では、こうしたプレゼン力を高めるためのサポートを行っています。
銀行に「応援したい」と思わせる社長こそ、成長資金を確保できるのです。
資金調達はお願いではなく、戦略。
数字とストーリーを武器に、銀行を味方に変えていきましょう。
