コラム

STEP1-4 月次試算表を経営に活かす!“数字に強い社長”になる秘訣

財務・融資戦略

「試算表は税理士からもらうけれど、正直どう見ればいいかわからない」
「毎月の数字よりも、売上や受注の方が気になる」

こうした声を、多くの中小企業経営者から耳にします。
しかし、月次試算表を活用できるかどうかは、会社の成長スピードに直結します。

本記事では、月次試算表を“単なる会計資料”から“経営の羅針盤”へ変える方法、そして数字に強い社長になるための秘訣を解説します。

1. 試算表を経営に活かせない会社の共通点

(1) 試算表が届くのが遅い

「決算から3ヶ月後にようやく数字が揃う」では、すでに手遅れです。
経営はスピード勝負。数字は“過去”ではなく“今”を映す鏡でなければなりません。

(2) 損益計算書しか見ていない

売上と利益だけを確認して安心してしまう社長は少なくありません。
しかし、資金繰りや貸借対照表を見なければ、会社の実態を把握したことにはなりません。

(3) 数字を「会計担当者任せ」にしている

経営者自身が数字に興味を持たず、経理や税理士に任せきりの会社は成長しにくい傾向があります。
社長が数字に強くなることで、社員全体の財務意識も変わります。

2. 月次試算表で押さえるべき3つのポイント

(1) 粗利率

売上よりも重要なのが「粗利率」です。
粗利率が下がれば、売上が伸びても資金繰りが苦しくなります。
毎月の粗利率をモニタリングすることで、赤字案件やコストの増加を早期に発見できます。

(2) 売掛金・買掛金の回転

売掛金の回収が遅れていないか、買掛金の支払いが偏っていないか。
試算表の貸借対照表を確認すれば、資金繰りの「詰まり」が見えてきます。

(3) 営業利益とキャッシュフロー

営業利益が黒字でも、キャッシュが増えていない場合は要注意。
「利益+減価償却費」で実質的なキャッシュフローを確認する習慣をつけましょう。

3. 数字に強い社長になるための実践法

ステップ1:試算表を毎月見る習慣をつける

まずは“数字を見る習慣”を持つことが出発点です。
最低限、粗利率・営業利益・現金残高を毎月チェックしましょう。

ステップ2:税理士に質問する

試算表の見方が分からなければ、税理士に積極的に質問してください。
「この数字はなぜこうなっているのか?」と聞くことで理解が深まります。

ステップ3:社員と共有する

経営会議で試算表を使い、幹部社員と一緒に数字を確認します。
数字を共有することで、現場の行動が変わり、改善スピードが加速します。

4. CFIOの視点:試算表を「未来会計」に変える

CFIOでは、月次試算表を“未来の経営判断に使う資料”へと変換します。

  • 予算と実績を比較する(差異分析で改善ポイントを特定)
  • 部門別損益を導入する(利益を生む事業と赤字事業を切り分ける)
  • BIツールで可視化する(グラフやダッシュボードで直感的に理解できる)

試算表を「見やすく・わかりやすく・行動につながる」資料にすることで、数字に苦手意識を持つ社長でも自然と経営判断に活かせるようになります。

5. ケーススタディ:数字に強くなったC社社長

C社(年商3億円)の社長は、これまで売上だけを追いかけていました。
しかし、試算表を活用できていなかったため、資金繰りは常に不安定。

そこで、CFIOの財務サポートで以下を導入しました。

  1. 月次試算表を毎月20日までに確定
  2. 経営会議で粗利率・営業利益を共有
  3. 部門別損益の導入で部門別損益を見える化

結果、赤字部門を早期に修正でき、2年で営業利益率が5%から10%へ改善。
「数字に強い社長」へと大きく変わりました。

まとめ

月次試算表は、単なる会計資料ではなく“経営の羅針盤”です。
数字を活かせる社長は、次の3つを実践しています。

  • 毎月の粗利率・営業利益・キャッシュフローをチェックする
  • 税理士や幹部社員と数字を共有し、改善につなげる
  • 試算表を「未来会計」として経営判断に使う

CFIOのSTEP1では、月次試算表を活用した「数字に強い社長づくり」を徹底しています。
数字を味方にできれば、資金繰りの不安が消え、成長戦略を安心して描けるようになります。